ピエール＝イヴ・アルトー　フルート、てん・仁智　箏、　上野信一　打楽器

雅楽の素材を西洋音楽の技法で扱い、唯一無二の世界を紡ぎ続けた 作曲家・松平頼則(1907〜2001) の晩年の声楽作品集。 1991年の「おほかたの」から遺作となった2001年の「鳥迦陵頻）の急」 に至る9作品は、技法を大きく凌駕した松平が最晩年に到達した芸術的昇華 を伝える。晩年の松平が全幅の信頼を寄せた歌手奈良ゆみによる 〈遥かなる響き、愛の歌〉……

私がYumi を識ってから作曲するとき何か目に見えないものが道を照らすのです。 私はそれに従います。すると美しい響が与えられます。 Inspiration (インスピレーション)と呼ぶ人生で稀なもので 誰にでも与えられるものではありません。愛とはこれぞInspirationです。 もうあまり時間もない私の一生ですが息のある限り愛し、 音を呼ぶことを望んでいます。  

松平頼則（1997年12月10日）