3月7日にALMrecords よりまことに変わったCDが出ました。

『Spitha』,スピタ(ギリシャ語で、輝きの意味・椎名亮輔さんが名付けられました)。何と語って良いのか、説明もいたしません、お聴き戴ければ幸せです。ただこれはもしかすると私の歌の根源かも知れません。根元に長い人生が私の魂に語りかけている言葉なのかも知れません。
ただ心身をまかせ風に鳴る樹の葉のように「現象」のように歌っています。
ある時母が言いました。「ゆみちゃんは赤ん坊の時言葉をしゃべるより前に庭の小鳥達の真似して仲間に入ってた。おしめが濡れると、クンクンクンとハナを鳴らしてた、変わった子だったわ」
この演奏は、今はもう取り壊されたまぼろしの芝居小屋「座・九条」でのライブ録音です。編集は一切なしでありのままです。

この変わったCDを厳しい業界の中で出版することを決められたALMrecordsに感謝します。世に出したいと願われた相棒のヴィオラ奏者、大竹徹さんにも感謝の気持ちでいます。
出たからには、できるだけ多くの方にお聴きいただき、私たちを励ましていただければ、
また演奏の勇気をいただけることでしょう。

奈良ゆみ

 

 

spitha

 

奈良ゆみ

幼い頃より、グレゴリオ聖歌、詩吟、タンゴに親しむ。

相愛大学卒業後、仏政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院で学び、メシアンに注目される。パリを始め欧州各地で演奏活動を展開。

デュサパン、ダオ、エロワ、平義久、松平頼則、他多くの作曲家に作品を捧げられている。

シェーンベルク「月に憑かれたピエロ」、オハナのモノオペラ「三つの御花の物語」「サティと6人組」、ラヴェル「シェーラザード」、メシアン「ハラウィ」などが高い評価を受ける。

仏政府の派遣でフランス歌曲の演奏を東欧・ロシアで数多く行っている。さらに西鶴の『好色一代女』のテキストを使ったジャン=クロード・エロワの作品「仏明会」や、松平頼則のモノオペラ「源氏物語」の歌い手として、日本の音楽・文化が西洋の現代音楽と結びつく可能性を明示した。

ゲダリア・タザルテス、ミッシェル・ポルタル、アラン・クレムスキ、等と即興演奏を元に現代バレエや映画音楽を手がけている。ピーター・ブルック演出の「骨」や「マハーバーラタ」にも出演。

東京でドビュッシー「ペレアスとメリザンド」フルネ指揮でメリザンドを歌う。

録音も多く「ドビュッシー歌曲集」(Pf:クロード・ラヴォワ)[Cypres] は仏音楽誌『ル・モンド』が最高推薦盤に挙げている。

 

大竹徹

もともとクラシックのヴィオラ弾き。ある時ふとしたことから即興の面白さに目覚め、ダンサーや演奏家たちと舞台を経験してきた。「瞬間の悦び」を追い求めている。

 

 

田中康之

Percussion奏者。京都在住。舞踏、芝居、映画、即興などボーダーレスで活動中。2015年インフラノイズよりヴィオラ奏者大竹徹氏とのDUOアルバム「prototerra」をハイレゾでリリース。

 

 




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